大きさは100×100×35mm。万年筆を利用した両手に収まるサイズのペン画です。
一見すると金木犀らしい優しい笑顔の女性です。
前回の記事で私は“「花言葉」と「女性の複雑な表情」を意識して作品を制作した”とコメントしておりました。
金木犀の“花言葉”とは?“女性の複雑な表情”とは?
まずは金木犀を描くきっかけとなった女性、花言葉から解説していきます。
|金木犀の人、花言葉
金木犀を題材にしたのはある女性に出会ったことがきっかけで、その女性をイメージしながら「金木犀」を描きました。
一度きりのご縁でしたがその女性と一緒に出かける機会があり、フレグランスショップに立ち寄った際にこんな話をしてくださいました。
女性のお祖父様のお宅には女の子の孫が生まれる度に木を植えていたそうです。女性が生まれた時には金木犀が植えられました。
他に植えた木は枯れてしまいましたが、その中でも金木犀の木は唯一残って元気に毎年花を咲かせているそうです。
「だからその金木犀の木は私のようで思い入れがあるし、私自身金木犀が好き。」
そして毎年秋に販売される金木犀のフレグランスを楽しみにしていることなど、楽しそうに話してくださったのを今でもでもよく思い出します。
金木犀の花言葉は「謙虚」「謙遜」「陶酔」「初恋」。
金木犀の花言葉の「謙虚」は、その甘くすばらしい香りに反して、控えめな小さい花をつけることにちなんでいると言われています。また、「気高い人」の花言葉は、雨が降るとその芳香を惜しむことなく、潔く花を散らせることに由来するそうです。
(引用:LOVE GREEN)
その女性はとても「謙虚」な方で、大きくて優しく少し切ない瞳と長くてふわふわの髪の毛は人を「陶酔」させる魅力を持っていました。
まさに金木犀のような人だったのです。
その魅力は瞳や、ウェーブの長くて力強い髪に落とし込みました。
「気高い人」という花言葉も優しげだけど強かな姿(ここは髪ですが)に。でも雨が降ってしまうと花は散ってしまうので、「また来年お会いしましょう。」の意味を込めて少し切な気な目元にしています。絵の中ではこちらを向いて微笑んでいますが、左を向いているのも未来を表すためです。
|女性の複雑な表情
絵の下書きを描き始めた頃にふと昔見たテレビ番組の特集を思い出しました。
小学生の頃、とあるバラエティ番組で「同じ人のいろんな表情の写真をいくつも並べた時、男性は女性よりも表情から読み取れる感情の数が少ない。」というのを見たことがありました。
なんのバラエティ番組だったのか今では思い出せませんが、女性の方が感受性が豊かだということなのかなと私は感じました。
来場される方はインスタグラムを拝見して来てくれる方、特に10代後半から20代前半くらいの若い女性が多いことはもともと想定していました。
そのなかで割合としては低いですが男性のお客様が来場してくれることも、彼女がファンで来場し、お供としてついてきた彼氏というお客様が来場してくれることも想定していました。
彼ら、彼女たち一人一人がこの絵を見て“どんな感情になるのか”、“女性の表情をどう読み取ったのか”、“そもそも表情を読み取れるのか”を知りたいというのが一番の理由でした。
下がった眉や左だけ少し上がった口角。
これらにも全て意味があります。
人は本心では無い笑顔の時は左の口角の方が少し高く上がるそうです。
私の初恋はおそらく母の従弟(私の10歳ほど上で優しく、よく遊んでくれました)で、いまではもうただの親戚としか思ってはいませんが、母の従弟のことを考えながら作る笑顔を鏡で見ると左の口角の方が上がっていました。なかなか会う機会もないのでほぼ他人というのもあるのかもしれません。
金木犀の「初恋」という花言葉から今はもう過ぎた思い出として、また初恋の人に向ける笑顔はきっとこんな笑顔なのだろうと、この下がった眉や左だけ少し上がった口角を描きました。
在廊している時にお話ししたお客様にはそんな複雑な表情を読み取ってくれる方はなかなかいませんでしたが、「ちょっと口角上がってるんだよね。」とか「どういう表情だと思う?」と聞いた時に考えて答えてくださる回答は一つ一つ違ってなかなか面白かったです。
「たみぃとsheのホニャララ展」についての記事はこちら
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